琵琶:

紀元前三世紀、すでに中国には長い柄と皮張りの円形共鳴箱をもつ琵琶があり、「弦兆」とよばれた。そして、漢代になって、4本の弦、木張りの12柱の琵琶がみられるようになった。

漢琵琶と亀茲(きじ)琵琶がある。漢琵琶は現在我国で使用しており、四絃で胴は平たく茄子形で、棹の上端の海老尾は後方に直角に曲り、胴に二つの三日月形の響孔があり、胴の横に撥革が張ってある。奏者は水平、あるいは頸の左端が右端より低くなるように持ち、右手で持った撥でゆるやかに弾奏する。雅楽とともに奈良時代に中国より輸入された。
亀茲琵琶は漢琵琶に比べて胴が細く、棹の上の海老尾は後方に折り曲っていない。三日月形の響孔もなく、撥も使わず、絃が垂直になるように直立させて持ち、右手の爪で絃をすばやく弾奏する。インド、南シナ、広東地方を経て我国に伝わり、「盲僧琵琶」となる。後に雅楽の琵琶と折衷され、新しく「平家琵琶」となった。後に「薩摩琵琶」「筑前琵琶」などが派生、亀茲琵琶を漢琵琶の形に改良したため我国では混同して認識されている。
現在中国で使用されているのは、日本の撥たたき琵琶とは異なり、秦、漢の琵琶をもとにビワ形をした曲項琵琶の長所を採り入れて改良された亀茲琵琶の方で、絃が垂直になるように直立させて持ち、右手の指で弾奏する。

琵琶曲：

十面埋伏