あらすじ　妙技　四川省川劇院　四川省芙蓉花川劇団　

あらすじ

川劇は300年前、景勝の地として知られる峨眉山のふもと、四川省に生まれた古い歴史をもつスペクタクルドラマです。四川省は天府の国と言われる長江上流の豊饒の地で、古くは三国時代、漢の王室を継承する劉備が諸葛孔明らとともに、蜀漢帝国を建国して以来、中国西南文化の中心地として栄えてきた。舞台衣装に四川特産として内外に有名な「蜀江の錦」、まばゆいばかりの蜀刺繍を用いている川劇は、まさに四川が生んだ天府の花として、中国各都市で盛んに上演され、高い文学性とユーモラスで機知にとんだ表現で多くのファンを、魅了している。

川劇の妙技

変瞼：
舞台上、手も何も使わず観客の前で一瞬のうちに顔の色を何回も変える技です。驚き、苦しみ、恨み、死など実にさまざまな感情や状態の変化を視覚化し、中にはこれを９回も連続して行って人々を驚嘆させる名優もいたといわれる。

開慧眼：
慧眼とは物事の真実を見抜く心眼のことで、インドのシバ神の顔などにも見られる。役者が足を上げた途端、カッと見開かれた第三の眼が額のまん中に出現する。この技は、戯聖と謳われた康芷林が編み出したものである。

鑚火圏：
大きな火の輪をジャンプしてくぐり抜ける。

噴火：
口から火焔を噴き出す。

四川省川劇院

1960年成都で発足、国宝級の著名俳優を多数擁し、「白蛇伝」、「芙奴伝」、「秋江」をはじめ、大小200におよぶレパートリーを有し、北京ほか中国各都市での公演も数多く行ってきた。

　劇場用パンフpdf

白蛇伝:

ここは四川の地を見下ろす峨眉山、雷音山の大乗殿。如来のもとに天界の神将たちが結集している。天の掟を破り、許されぬ恋におちた“白蛇”こと白素貞とその恋人桂枝羅漢こと許仙に、怒りの判決が下された。白蛇は天界に監禁され、桂枝羅漢は人間界に追放されて二人は引き裂かれてしまう。

しかし、愛する男性への白素貞の思いは募るばかり。天の掟の無情を恨み、とうとう鎖をうちこわし、“青蛇”小青を伴として、人間界へと逃亡する。

初春の水ぬるむ西湖のほとり、人間に姿を変えた白素貞は、舟の上で許仙とめぐりあった。小青の機転で雨を呼ぶと、傘のとりもつ縁で二人はめでたく結ばれる。

薬屋を開き、牡丹の花にかこまれて仲むつまじく暮らす白素貞と許仙??しかし、二人には早くも天界からの追手が迫っていた。

許仙は法海禅師の手下にたぶらかされ、しだいに白素貞に惑を抱く。桜桃の花が咲き乱れ、渡り鳥がやって来る端午の節句の席上、許仙は白素貞の正体知りたさに、法海の手下の指図のままに、妻に強い酒を勧める。最愛の夫許仙の疑いを晴らそうと、その酒を一気に飲み干した白素貞は、とうとう蛇の姿を現してしまう。許仙は驚きと恐怖のあまり病床についてしまった。

白素貞は瀕死の許仙を救うため、霊芝草を求めて人を寄せつけない剣山、崑崙山に向かう。危険を冒して霊芝草を手に入れ、夫の命を救った。

いよいよ悪僧法海は最後の手段に打ってでる。法海自ら許仙の前に姿を現し、「身ごもった白素貞の命が危ない」と許仙をだまし、魂を迷わす傘を使って金山に連れて行き、閉じ込めてしまった。

白素貞は純愛を守るため、愛する夫を救うため、身重のわが身にムチ打ち、小青の助けを借りて、法海に敢然と戦いを挑む。超能力を発揮し、海神たち（魚、亀、貝）を率いて金山を水攻めにし、凶悪な神将たちとの激しい戦いが繰り広げられるーーー

四川省芙蓉花川劇団

芙蓉花川劇団は、"芙蓉の城"といわれる四川省の首都成都市の中心から北東18?にある新県で1953年に設立され、文武両方の作品を得意とし、優秀な若手の演技陣が活躍している。レパートリーは豊富で、設立以来36年間に200以上の作品を上演し、いずれも好評を博している。伝統劇はもとより、新作にも力を注ぎ、伝統劇川劇の特徴を盛り込んだ「白蛇伝」「柳蔭記」「孟麗君」のような大作もある。

花物語：

美しい花の仙女、芙蓉花仙は、王母(皇太后)の長寿を祝うため、百の花から漬酒を造り、百花聖母とともに瑞池宮へ行く。高慢な天宮の女官長麻姑は、芙蓉花仙を身分の低い下界の花とあざ笑い、大宴会の品格を汚したとののしる。芙蓉花仙を倣慢と誤解した王母は激怒し、彼女を蓬莱山に閉じ込めてしまう。四季の花の精たちに助けられて、芙蓉花仙は恩人の陳秋林に礼を述べるため下界に向かう。二人は恋に落ち、喜びも苦しみも共にする。一方、芙蓉花仙の心をとらえられなかった天宮の芭蕉精は、神将たちに彼女のことを悪くふれ回る。そのため芙蓉花仙は天の掟に背いた罪と、下界に逃れたことを責められ、また捕えられ、冷泉山に幽閉される。陳秋林は、彼女を救いに天上にかけつけついに救出に成功するが、妖怪の軍団と戦って命果てる。彼女は恋人の命を取り戻すため、神通力のある花の薫香をたくと陳秋林は生き返った。そして2人はめでたく結ばれる。