あらすじ　中国京劇院　中国京劇院青年団　上海京劇院　湖北省京劇院　湖南省京劇院　寧夏京劇団　作品　曲名　歌舞伎・京劇合同公演　

あらすじ

ボタンが中国の国花なら、京劇は中国の“国劇”に例えられる。中国人の戯迷（芝居好き）はあまりにも有名であるが、京劇は現在、西蔵自治区を除くあらゆる省に劇団が設置され、中国の伝統を代表する演劇として、まさに大輪の牡丹の花のように華麗に咲き競っている。
伝統に支えられた独特の演技術は、言葉の違いや風俗習慣の違いを超えて日本人にも十分に堪能出来る舞台劇です。

中国京劇院

中国京劇院は延安平劇院より発展したもので、新中国成立後、著名な京劇俳優と京劇各流派の芸術家を多くかかえ、さらに充実し堂々たるものへと変革した。同劇院は中国文化部に所属している国家劇院で、初代院長は京劇芸術の最高峰「梅蘭芳」である。劇院は各流派を代表する演技者として有名な劇作家、演出、音楽、美術担当などを擁し、層の厚い創作力を持っている。建国以来、毛主席の“百花斉放・推陳出新”の文芸方針を守り、「遍山梁山」、「三打祝家荘」、「白蛇伝」、「猟虎記」、「将相和」、「謝瑶環」、「野猪林」、「満江紅」、「楊門女将」、「紅燈照」、「大閙天宮」、「空城計」、「三岔口」など歴史的多彩なプログラムと、「白毛女」、「紅燈記」、「八一風暴」、「洪湖赤衛隊」、「蝶恋花」など著名な現代劇を創作・上演し、国内外で広く親しまれている。劇院は長い間、京劇芸術の伝統を継承し発展させながら京劇界の頂点に立ってきた。
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中国京劇院青年団

今回来日した中国京劇院青年団は1982年以来、中国戯曲学院を卒業した俳優の中から選抜された優秀な演技者で構成された人気、実力ともに備わった公演団である。李岩・刀麗・林燕を中心とする青年俳優たちの確実な演技、見事な歌唱力、壮絶な立ち回りは観客を魅了して止まず華麗にして驚嘆すべき舞台であった。
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上海京劇院

上海京劇院は1955年、梅蘭芳と並び称される名優、周信芳を院長として成立した。一代で"麒派"の名を高めた周信芳の指導のもと、とくに観客の目が高いといわれる上海を本拠地とするプライドを秘めて三十年、鍛えられ、育て上げられた実力と芸風は、国際的にも高い評価を得ている。海外公演は、すでにヨーロッパ各国から日本、東南アジアに及び、1951年設立の中国京劇院(北京)と人気を分かっている。今回（1988年）の公演では、梅蘭芳が自分の後継者とまで絶賛した人気女優、斉淑芳に期待が高まっている。十代で主役を演じた斉淑芳は、今四十歳の"芸盛り"、文戯、武戯ともに余人の追随を許さず、また、甘く潤いのある美声で多くのファンを魅了している。今回は「青石山」で入神の超絶技巧、一転して「秋江」では可憐な娘役で小味のきいた演技を楽しませてくれます。
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また京劇院の若い俳優を中心に編成された上海青年京劇団は再度日本で公演した。主役の史敏は、最も観客に人気を得ている武旦女優で、華麗な立回りと美しい豊かな音声の歌唱が特にすぐれている。
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湖北省京劇院

湖北省は京劇のふるさとの一つであり、湖北の古い芝居が二百年前に北京に伝わり安徽省の劇と合流し、お互いに特徴を吸収し融合させて、さらに他の劇からも影響を受けながら中国の芸術の粋と呼ばれる京劇が形成された。

同京劇院は優秀な俳優陣を擁して、京劇の伝統を継承し、多くの伝統演目を上演し広く観客に歓迎されている。同時に他の芸術の良いところを吸収するという京劇の特性を受け継ぎ＜徐九経昇官記＞に代表される優れた作品群を創作し好評を博した。専門家の間では鄂派の京劇として全国的に有名である。
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湖南省京劇院
湖南省京劇院は50年以上の歴史を有する芸術団体である。各役柄が揃い、多くの人材が育っている。近年、中国の改革開放の歩みが加速するのに並行し、京劇院は青年の育成を強化し、中国戯曲学院と北京戯曲学校を卒業した優秀な青年俳優たちをデビューさせてきた。彼らは全国規模の伝統演劇のコンクールでも注目を集め、数多く受賞している。従って、舞台には躍動感と活力がみなぎり、観衆は彼らの演技に魅了されています。今回（2004年９月）の日本公演では「探谷」、「盗王墳」、「秋江」、「泗州城」が上演される。
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寧夏京劇団
周恩来・賀竜・陳毅等、新中国の指導者たちが、掌中の珠の如くに愛し育てた、中国京劇院第四団。これが、寧夏京劇団の前身である。延安の評劇院を出発点とし、解放軍と共に歩み、1948年北京に入城した彼らは、花形京劇として、一躍首都の脚光を浴びた。
中華人民共和国成立後、国家の指導者たちは、外国訪問の際、競って団を同行し、広く各国に紹介した。1950年代、団が訪問した諸国は18ヶ国に及ぶ。多民族国家である中国は、小数民族の政策を重んじ、50年代後半、民族自治区が各地に誕生した。1958年中国政府は、寧夏回族自治区(シルクロード地区)成立に際し、この京劇団を配属した。掌中の珠を贈ったのである。
新中国の夜明けと共に歩み、文革の嵐をはね返し、いくたの激動を乗り越え、良き時代の京劇を守り、今に伝える寧夏京劇団は、25年間、3期にわたって優秀な人材の育成に成功してきた。

京劇の作品
（孫悟空　覇王別姫　白蛇伝　閙龍宮　火の鳳凰　三岔口　雁蕩山
拾玉镯　閙天宮　鏈環套　三打白骨精　釣金亀　双下山　鬼怨
探谷　盗王墳　秋江　泗州城）

孫悟空：

孫悟空は300年前、天地にはぐくまれる石から生まれ出た、神通力を持った猿と言われており、人間になったばかりで花果山:水簾洞に住む下界の妖猿として、天界から恐れられている。孫悟空に神器の鉄棒を如意棒に変えて持ち去られた竜王は、悟空を捕えるようにと玉帝に上奏するが、武力で圧するよりは天上に呼び寄せ、馬を管理する小役人の官職を与えれば天上界の教化を受け、従順になるであろうという李長庚の策がうけいれられた。
花果山で小猿たちと武功を再演し、お祭り騒ぎをしている所に玉帝の命を受けた李長庚が現われ天上界の素晴らしさを吹聴し、無数の駿馬を乗りまわすことができると誘い、おだてられた悟空は筋斗雲に乗って天宮にいく。
そこで悟空はようやくだまされたと事を知り、花果山に戻り天宮にはりあって、「斉天大聖」と名のった。しかし、再び李長庚は斉天大聖の称号を祝う宴を催すと偽り招待するが、悟空は姿消しの術を使って天宮の様子を探りに行き、またこれが計略と知って、天宮の重なる陰謀に大暴れし、不老不死の仙薬「金丹」を全部食べ尽くしてしまう。追われた悟空は南天門でつかまり焼き殺されようとするが、金丹をたらふく食べたので焼死どころか、逆に火によって鍛錬され、炉から飛び出して来た。
機智に富んだ勇敢な孫悟空は、小猿とともに次々と天将天兵を倒し、圧倒的な勝利をおさめ、小猿たちの歓声の中、高らかに凱歌をあげ、花果山に戻って行った。

覇王別姫:

二千年前、秦が滅びたあと、各地に兵を起こす者が相次いだが、その中で最も勢力があったのは、楚の項羽と漢の劉邦である。天下はいずれこの両者のどちらかのものになると思われた。
両雄の長きにわたる戦いの後、覇王と呼ばれた項羽は、劉邦との戦いに敗れ、敵軍に囲まれたある夜、四方から、あろうことか、楚の歌が聞こえてきた。これで項羽は自分の領土がすべて敵の手に落ちたことを知った。その悲しい歌の中、項羽の愛妾である虞姫は、かがり火のそばで項羽に向かって剣舞を舞い、項羽へに愛を訴え、自分への愛のために大志を曲げることのないよう自ら頸を切ってしまった。
この歴史物語は、京劇の第一人者梅蘭芳によって京劇に移され、名曲「夜深沈(夜深く)」とあいまって京劇の名作に数えられるようになった。梅蘭芳は、1950年代に日本で上演し、大好評を博した。

白蛇伝:

峨嵋山で千年の修業を積んだ白蛇と青蛇は、人間社会の幸福な生活に憧れていた。二人は少女に姿を変え拡州の西湖に遊んでいるとき突然の雨に困つていると、通りがかりの美少年、許仙が傘を貸してくれる。
白蛇と許仙は互いに恋慕の情を抱き、青蛇のとりもちで、やがて二人は夫婦となる。そして結婚後は薬屋を開き、三人は幸福な生活を送っていたが、金山寺の住職法海は二人の結婚を怒り、許仙を訪ねて彼の妻が千年も生きている蛇の妖怪の化身であると伝えた。法海は端午の節句に妻に多量の酒を飲ませて正体を現わさせるよう許仙に勧め、二人の仲を裂こうとする。
その結果、許仙は大蛇の姿を見て驚きのあまり息絶えてしまう。酔いから醒めた白蛇は深く悲しみ、仙山から霊芝草を盗って来て許仙をよみがえらせることに成功した。しかし、以後許仙は妻に疑いを抱き始め、法海に騙されて金山寺に行く。白蛇と青蛇は彼を追って金山寺を訪れるが多くの兵をさし向けられ闘いが続く。ようやく逃げ出した二人は法海の企みに気づいてやはり逃げ出した許仙にめぐり会うが、青蛇は彼の薄情さを怒り、剣で殺そうとする。白蛇はそれでも彼に対する愛情おさえ難く、自分の素情を打ちあける。彼も妻の真心に感動し、三人は和解するが、法海はあきらめず、子どもを生んだばかりの白蛇を閉じ込めてしまう。
数年後修練を積んだ青蛇は姉の仇を討つため、水族の一同を呼び寄せ、彼女を救い出し、一家は再び会うことができた。

閙龍宮：

「西遊記」の物語から。孫悟空は花果山で家来たちを集め王になったが、手ごろの武器がないので敵との戦いはうまくいかなかった。ある日、孫悟空は東海の底の龍宮へ行き、龍王の武器庫から定海神針(金の棒)を借りてきたが龍王はすぐに後悔して返却を求めたがもう遅い。孫悟空は金の棒を使って龍宮で大暴れしてしまった。

火の鳳凰：

花咲き誇り、実り豊かな白鷺の楽園が獰猛な鷲の軍団に襲わる。報せを聞いた白鷺の女王は、鷲の軍団に果敢な戦闘を挑む。荒々しい鷲との戦いを必至に凌ぐ白鷺の女王は、武闘にすぐれ、鷲の軍団も敗色を濃くしていく。鷲の軍団は火攻めによる逆襲に出る。苦闘を続ける白鷲の女王は、炎の中で、火の鳳凰に変身し、炎を武器とし、鷲の軍団を壊減に追い込む。そして、白鷺の楽園は平和を再び取り戻すことになった。

三岔口：

宋の時代、楊家の武将である焦賛は、奸臣の悪だくみに陥れられ、流刑となる。護送の兵に警護され三岔口の宿に泊まる。焦賛を救いだすため、ひそかに護送隊を追ってきた若者がいた。焦賛と義兄弟の縁を結んでいた任堂恵であった。三岔口の宿の前に任堂恵が現れるところからこの舞台が始まる。ここに宿を取ったと察した任堂恵は、この宿に泊まることにして、宿の主人を呼んだ。応対に出た劉利華も実は焦賛の同志でスキを見て救いだそうとしていた正義の士。しかし、互いに怪しい人物と誤解してしまう。任堂恵の寝静まるのを見計らって、劉利華の必殺の剣が任堂恵を襲う。

雁蕩山：

隋朝後期、曹州の孟海公は、民衆を率いて蜂起し、隋朝の将軍賀天龍の軍隊に戦いを挑み、ついに賀軍を雁蕩山に追いつめる。孟は軍を率いて、追撃を重ね、夜戦に及んで敵軍をさんざん痛めつけ、賀軍は敗走し、湖の中に逃げ込む。孟軍の勢いは止まらず、水中に合戦を繰り広げ、この戦いにも勝利を収めてしまう。賀は残兵をまとめて逃れ、城内にたてこもる。孟海公は城壁めがけて自ら矢を射放ち、兵を鼓舞して、城を襲う。ついに孟軍は城壁を超えて押し入り、大勝利を収める。

拾玉镯:

孫家の娘、玉嬌は働きもので年頃の娘。若者傅朋が通りかかって、一目惚れ。お互いに心引かれるものの、玉嬌は家の中に逃げ込んでしまう。一計を案じた傅朋は、玉の腕輪を孫家の門口にわざと落とし、自分の心の証しを拾ってもらおうとする。先刻出合った若者のことを気にかけながら、庭に出てきた玉嬌は、玉の腕輪を身つける。その意味をすぐに分かったものの、拾うべきかを散々迷ったあげく、遂に拾い上げ迷いつつ、白分の腕につけて大喜びする。様子を伺っていた傅朋も、イライラ、ヤキモキの末、大喜びする。

閙天宮：

「西遊記」の物語から。天の王である玉皇大帝は孫悟空の能力を知っていて、孫悟空をなだめるために、孫悟空に「斉天大聖」の名を与えたが、大帝の后の誕生日の「鏈桃会」には悟空を呼ばなかった。偶然、その鏈桃会のことを知った悟空は鏈桃園に忍び込み、桃を全部食べ尽くし、酒を飲み干し、長寿の金丹をすべて腹におさめてしまった。玉皇大帝は大いに怒り、李天王に十万の神兵を与え、孫悟空を捕らえるよう命じたが、孫悟空は天宮を戦場として神兵と戦い、勝利を収めて帰っていった。

鏈環套（ドウルードウン）:

清の時代、ドウルードウンは自分の仇敵に報復するために、皇帝の待衛軍営に潜り込み、皇帝の馬を盗んだが、これを仇敵の黄太三の犯行だと告げた。しかし黄太三がすでに世を去っていたことを、彼は知らなかった。これで黄一家との仇は一層深まることになった。黄太三の息子黄天覇は、父の仇敵ドウルードウンに復習するため、単身ドウの鏈環套（兵法にある布陣のひとつ）に紛れ込んでドウの宝刀を手に入れた。戦いの末、両者は馬と宝刀を交換し、仇も解け始めて、二人はともに宮殿の方に向かって行った。

三打白骨精:

「西遊記」の物語から。三蔵法師の一行は天竺への途中、妖怪、白骨精が根城にしているある山にさしかかった。孫悟空は神通力で妖怪を見破り一撃するが、妖怪はか弱い人間の形を残して逃げてしまった。何も知らない三蔵は殺生をしてはならないと悟空をきつく叱り、二度と殺生をしないと誓わせる。ずるがしこい白骨精は人間に化けて一行に前に現われる。悟空は三蔵の身を守るべきか三蔵の教えを守るべきか悩むが、妖怪を一撃してしまう。三蔵はむやみに殺生を繰り返す悟空に怒り破門にしてしまった。悟空は花果山に帰り白骨精は思惑通りに三蔵を捕らえてしまった。しかし猪八戒は逃げ延びて、花果山に助けを求めに行く。悟空はすぐに三蔵救出に戻り、変身の術で白骨精にお返しをした。にお返しをした。

釣金亀(双釘計より)：

小説「双釘計」よりの一節で、演名を《金亀記》とも云われる。老旦(老女役)が主役の、唱が中心となる文戯の代表的名作。魚釣りをして母を養っていた張義が、金の亀を釣り、最後は、母を捨て都で出世した兄の嫁に殺されてしまう。

双下山(若い僧、尼僧と山を下る)：

青年僧・本悟は、仏門の生活に嫌気がさして、こっそりと逃げ出し山を下る。その途中で尼僧・色空に出合い、二人は夫婦となって俗世界に戻って行く。青年僧と尼僧のコミカルな演技が見どころである。

鬼怨(紅梅閣より)：

この物語は《紅梅閣》の一節。南宋時代、西湖のほとりで、宰相覇似道の愛妾季慧娘は、書生裴生に出逢い「美しきかな少年よ」と、その美貌を称えてしまう。怒った覇似道は慧娘を責め殺し、さらに斐生をも殺そうとする。慧娘の怨霊は判官の前に現われて、斐生に罪なきことを訴え、斐生を助ける。

探谷：

戦死したり行方知れずになる男たちに代わって、のこされた寡婦たちが戦場で大いに活躍する「楊門女将」は1960年に作られた新編京劇の大作である。妻穆桂英が夫の遺志を継いで奇襲作戦に出る最終場面が「探谷」である。

盗王墳：

中国４大奇書の一つ「水滸伝」の中で「偸営高手の客、鼓上蚤の時遷」と称され、文字通り太鼓の上の蚤さながらの跳躍力で身軽な盗人ぶりを披露する時遷だが、京劇の役柄"武丑"では別名"開口跳"というように、歯切れの良いせりふ回しを聴かせる。

秋江：

明代の伝奇「玉簪記」より特によく演じられる場面。小道具といえば１本の擢だけである。あとは"花旦"と"文丑"２人の役者のしぐさのみで船が川面をゆくさまを表現する。京劇の洗練された演技術が凝縮されている。

泗州城：

「泗州城」は中華人民共和国建国後、水母を悪役でなくし、２人はめでたく結ばれるという結末になる「虹橋贈珠」に作り変えられた。“武旦“役の“打出手”が最大のクライマックスで、四方八方から投げられる槍や棒などの武器を蹴ったり打ったりする技で打楽器が雰囲気を盛り上げる。神仙ものに多く使われる手法である。

京劇の曲名

双重奏（夜深沈）――今から200年ほど前に作られた、京劇の歴史の中でも最も有名な曲で、「覇王別姫」で四面楚歌の中、虞美人が項羽の前で剣舞をするときに演奏される。また三国志の中で、弥衡が太鼓をたたいて曹操を罵倒するときにも演奏される。この曲の中心となるのは京胡と呼ばれる楽器で、これは元来蒙古地方の民族楽器で、後に京劇の伴奏楽器のひとつとなったが、地味な存在であった。しかし、この「夜深沈」を演奏することで、一躍京劇の主要伴奏楽器となったいきさつがある。

スーパー歌舞伎・京劇合同公演

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リュウオー

歌舞伎(約80名)と中国京劇院(約60名)による、歴史的な初のジョイント公演"リュウオー"が実現した。日本と中国の最高のスタッフとキャストをそろえ、見せ場もたっぷり盛り込んだ、二度と見られない世紀の公演として数々の話題を呼んだ。

（物語）

中国の少年・哪咤(李光)は、日本の漁民を苦しめる東海龍王をこらしめるため、龍王の息子を殺してしまう。日本の漁師・海彦(市川猿之肋)は、妻を救ってもらった恩義から哪咤と義兄第の契りを結ぶ。怒った龍王は術を使って哪咤の村を水ぜめにするとおどし、ついに哪咤は責任を負って、父母の目の前で自害する。悲報を聞いた海彦は哪咤の友達・鶴童の案内で、哪咤を蘇生させるために中国へ向かう。さまざまな危険を乗り越えた冒険の末ついに哪咤はよみがえり、海彦と共に力を合わせて龍王を退治する。

中国の三大怪奇小説の一つ、『封神演義』をもとに書き下された"リュウオー〃は、古代の夢とロマンをうたいあげた一大スペクタクルである。