京劇の楽器

京劇の音楽は「西皮」と「二黄」の二つの曲調からなっており、西皮は力強く明快で、二黄は重厚で沈痛の趣きがある。また京劇の囃し方は「場面」といい、少数精鋭で、8,9人の編成で複数の楽器を兼ねている。指揮者は「鼓師」と呼ばれ、大小の太鼓の演奏を行います。

月琴

円く平たい胴で両面は胴の板。四弦。はじいて音を出す。音色は澄んで明るい。

中阮(阮咸)

古代琵琶の一種で、形は月琴に似ているが、首がそれよりも長い。はじいて音を出す。

笛子

竹の横笛で指孔が六つある。吹口には、葦や竹のリードがついている。ふくよかでうるおいがあり、澄んだ音色を出す。表現力に富み、独奏をはじめ伴奏に合奏に重んじられている。

哨吶

吹き口が銅で、本体は木製。金、元の時代にペルシャ、アラビアから渡来した。雅楽のひちりきか、チャルメラに似た音色で、中低音は力強く、高音は鋭い響きで耳を打つ。

海笛

小型の哨吶

板鼓

実際には拍板と小鼓(単皮鼓)の二つの楽器。拍板は三本の堅い木を使い、二つを固く結び、一つをその上に緩く括って撃ち当てて音を出す。単皮鼓は一面にだけ皮があるので、この名がある。演奏には二本の細い竹を用いる。耳をつき刺すように堅く鋭い響きがある。司鼓または鼓師と呼ばれる指揮者がこの楽器を受け持つ。

大羅

ドラ。豪壮で強烈、深々としてまた荒々しい独特の音色。たたく場所、たたき方で、音の高さ、音色で変わる。木のばちの頭を布で包んでたたく。

小羅

小型のドラで直径は20センチほど。音色は澄んだ中にコミカルな味があり、文人や女性、あるいは道化の登場や退場に合わせ効果的な音を出す。

鐃钹

銅製のいわゆるシンバルのこと。日本では法要などで用いられる鏡欽でおなじみ。大小があり風や水の音の効果音にも用いられる。

堂鼓

形は日本の祭り太鼓に似ている。戦いの場面や、高官の登場、また時を告げる時にも用いられ大小ある。