吉林省


長春
吉林省の省都長春は、かつて新京と呼ばれた満州国の首都である。都市計画に基づいてつくられ、長春駅を基点に定規で引いたように道路が縦横に延びている。スターリン通りなどメーンストリートに沿って当時の官庁、軍関係の建物がそのまま残され、いまなお現役である。日本の城の天守閣にそっくりな建物は、旧関東軍司令部で、いまは共産党吉林省委員会となって赤旗が翻っている。大きな円柱を連ねたローマ風の建物は旧満州中央銀行で、現在は中国人民銀行長春支店である。ラストエンペラー、満州国皇帝溥儀の旧皇居は長春市の北東にある。吉林省博物館として公開されているこぢんまりとしたこの皇居は、誕生から崩壊までわずか13年というつかの間の満州国が、何だったかを知る「歴史の教室」である

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