あらすじ
中国の国土は総面積960万平方キロでヨーロッパの総面積に匹敵する。地形は東部の”世界の屋根"といわれているチベット高原から東に向かって下降し山地・丘陵・盆地・平原と変化している。
大陸の東部は海洋に面し、北部の渤海から黄海、東シナ海そして南部の南シナ海に至る。海岸線は,北方の鴨緑江河口から南方の中越国境の北命河河口まで全長1万8000余キロにおよぶ。

沿海には大小5000を越える島々が点在し、そのうち台湾島が最大で海南島がこれにつぐ。

河川
広大な大地には多くの河川が分布し、流域面積1000平方キロ以上の河川は1500もある。主要河川はいずれも西から東に流れ海洋に注いでいる。

１）黒龍江--中国東北部を流れ、大興安嶺山脈の西側を水源として、途中中ソ国境を通過し最後にロシア国内に入りオホーツク海まで全長2850キロに及ぶ。

２）長江--中国一の大河であり、青海省西部の水源から、チベツト・雲南・四川・湖北・湖南・江西・安徴・江蘇各省をへて東シナ海に注ぐ。長江流域の面積は180万平方キロで中国総面積の19%を占め、2億数千万人の人が住んでいる。長江は船舶の航行に便利なので水上輸送の大動脈となっている。

３）黄河--中国第二の大河で全長5464キロに達し、流域の耕地面積は2000万ヘクタールに及ぶ。青海省の巴顔喀拉(バヤンハラ)山の北麓の水源を発して甘粛、陜西、河南、山東省をうねりながら35本の支流とたくさんの渓流を集め山東省の墾利県で渤海に入る。黄河流蔵は古代文明の揺藍地であり名勝古跡も多く数千年前にはすでに都市がつくられていた。
一方黄河は「中国の憂患」と呼ばれているように、古来から堤防の決壊や氾濫に見舞われてきた。治水の歴史は戦国時代に始まり王景という水利専門家は数十万の大軍を率いて、１年がかりで500キロに及ぶ大堤防を築いた故事がある。
新中国になってから、上・中流地区に大型・中型のダムが６ヶ所築かれたが、そのうち三門峡ダムは土砂体積量が当初の見積りをはるかに上回り、期待したほどの効果はあがらなかった。