河南省
「母なる河」黄河の中流、数多くの古代王朝が覇権を競った中原に位置する。広大な黄土高原はまさに巨大な博物館のようであり、近年、丘陵一帯を碑林の宝庫にする「黄河遊覧区」、古都を復元する「北宋一条街」、拳法のメッカ「少林寺武術館」など新しい観光施設ができあがっている。
鄭州
省都であり、鉄道の動脈である京広線(北京―広州)、竜海線(蘭州―連雲港)が交差する要衝でもある。市の郊外には五千年前の新石器時代の住居跡が完全な形で残る「大河村遺址」や、項羽と劉邦(秦を倒した漢の初代皇帝)が争った古戦場もある。鄭州の南、登封県の嵩山山系のふもとに少林寺拳法で有名な少林寺がある。一九二八年、蒋介石の国民党軍と地元軍閥、馮玉祥の戦闘に巻き込まれ、大伽藍の大半を焼失したが、近年、近代建築の「少林寺武術館」が完成した。
*少林寺
鄭州市の西北13キロの嵩山にある。「面壁9年」で有名なダルマ大師が悟りを開いたのがこの寺です。また少林寺拳法発祥の地としても有名である。歴代の寺僧たちは修学のため拳法を習ったのである。
洛陽
西安と並び、後漢、魏、隋など9つの王朝の都として栄華をきわめた都であり、「9朝の都」とも呼ばれた。唐の時代に、政治都市の長安に対して、経済・芸術・学問の都市として栄え、日本からも多くの留学生や、空海や円仁などの僧が訪れています。平安京建設のときは洛陽をモデルにしたということからも、往時の隆盛ぶりがしのばれます。また洛陽に居をかまえた白居易の墓も郊外に残っています。
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