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刺繍

あらすじ 蘇繍の刺繍方法 蘇繍の作品

あらすじ

蘇州刺繍
中国四大名刺繍――蘇繍(蘇州)、湘繍(湖南)、蜀繍(四川)、粤繍(広東)---の中でも蘇繍が最も素晴しいとされています。刺繍糸を8分の1の細さに使用した極めて繊細なぬいとりは、みやびやかで生き生きとした独自の表情をかもしだしています。それは、中国の春秋時代に始まり、月日の流れにはぐくまれ、宋代に完成にいたったのです。そして、明・清時代には、原料、針法、図案、色彩などの面で、「精」「細」「雅」「潔」という独特の風格を創りあげたのです。このような土壌を背景にして新中国成立後、江蘇省の芸術家たちは両面繍など新しい技術向上に成功してきました。

汕頭刺繍
4千年の歴史をもつ中国工芸と宣教師がもたらしたヨーロッパのカットワーク、ドロンワークの技法が出会い、中国の婦人たちの手によって完成された刺繍である。


蘇繍の多彩な刺繍方法

細繍(平繍)ーー江蘇省全域

長い歴史に培われた精密な技術は、「平、整、細、密、均、順、和、光」の特徴を持ち、色彩鮮やかな作品は「雅致、柔和、秀美」の風格を誇っている。実物そっくりの作品は「神工運針」の異名を持つ。

乱針繍ーー蘇州・常州

蘇繍の伝統的な刺繍針法に、西洋画の技法を取り入れた新しい針法で1920年代末に始められた。直斜、横斜の交差ラインが、流れる繍面を作る。豊富な色彩を使いながらも、疏密のバランスがとれているのが特徴。

両面繍・両面三異繍ーー蘇州

中国の伝統的な「毛髪」刺繍の技法を昇華し完成したといわれる。表裏両面の模様・針法・色が全く同じに完成し、何千何万という結目と糸口を上手に隠して、両面とも鑑賞できるのが特徴。元来、簡単な両面繍は宋代に始まったが、長年にわたりその技術はとだえており、近年になって急速な技術進歩を見せた。1970年末に両面繍を基礎とした両面異色・異針・異姿の三異繍が開花。山水・花鳥・人物等の題材を豊かに表現している。

髪繍ーー東台・蘇州

糸の代わりに一部、髪の毛を使う。奇異な材料と精密な繍法による、清らかで落ち着いた風格の繍面が特徴。

打点繍ーー蘇州

透明な方格紗の上に一針ずつ刺繍を行ない多くの交差点が繍面をつくる。単一繍法のため、あっさりした作品に仕上がる。

精微繍--無錫

唐代から続く、蘇繍伝統作品の一つ。精級な繍法でつくる微小な作品は、微型彫刻と並び称せられる。

彩錦繍ーー南通

方格紗の上で「点彩」と「納錦」の二種の繍法を行なう。簡潔で明るい色どり、装飾性に冨む。

打籽繍ーー蘇州

刺繍針に糸を巻いて粒状にし、多くの粒の集まりで繍面を完成する。立体感のある装飾的趣きを持つ。

蘇繍の作品

陶磁器 
刺繍 
石印材
細工その他
竹林水禽 1964 

点彩の技法によって刺繍されており、制作者は高い技術を持っている。色感もするどく数百種に色分けされている。
孔雀に牡丹 1980

美しく咲き乱れる牡丹群の中に優雅な姿でたたずむ孔雀。同色系も濃淡によって20種類以上の糸を用いて、深みのある重厚な作品に仕上がっている。
シルクロード 1982 

東西文化交流発祥の路、シルクロードの盛唐期の一風景。シルクの素材が生かされており、人物とラクダの表情の豊かさは今にも動き出しそうである。
持珠菩薩像 1979

唐時代の呉道子「持珠菩薩」の拓本を手本とする。斉針、斜針などの運針法で石と水を描いて人物の様子を引き立て、宗教的風格を漂わせている。
桃果双鳥 乾隆帝期

変形と写実の結合で、豊かな桃と2羽の小鳥が情趣深く描かれている。叠抢、正抢針法を駆使した、蘇繍針法の装飾美を表現した作品。

猫とかまきり 1978 

蘇繍両面繍の中でも特に優れた作品で、その精緻な技術が世間に知られている。特に子猫の目の部分は套針で10種類以上の色を使って完成しており、光線反射の具合で様々に変化し、表情がより生き生きと見える。今にも動き出しそうな瑞々しい作品。
松齢鶴寿図 1980 

著名な工芸美術教育家として知られる陳之仏の原図。人々の長寿のシンボルである松と鶴を、躍動感あふれるタッチで仕上げている。