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太極拳

太極拳は中国伝統の武術であるが、現在は健康運動として多くの人々に親しまれている。動作はゆっくりとしているので筋肉の弱い女性や、老人など誰にでもできる。また意識運動なので神経にも適度な刺激を与え、心身のバランスを整えるのに最適な運動といえる。

中国の拳道

中国の拳道には南派と北派がある。南派は外家拳すなわち外なる力を用いるもので、少林拳はその代表的な例である。日本の空手もこの流れを汲んでいる。少林寺は元来は河南省にあったが、清朝の時代に弾圧を受け、福建省など南方へ逃れ、流派の中心が南に移った事から南派と呼ばれるのである。
これに対して、北派は内家拳すなわち内なる力「気」の力を用いる。その基本的な考えは「静をもって動を征す」という所にあり、気力によって内蔵もすべて運動し、その身体内部からの力によって身体の動作が生じるのである。つまり、南派が力を用いるのに対し、北派は気力を用いるもので、ここに根本的な違いがある。

北派の流儀

北派の内家拳は、五台山の道士が創始したものであり.その基本には不老長寿を目ざす道教がある。すなわち、宇宙の原理は陰陽二つの天気と五行(火・水・木・金・土)とからなるとする思想である。内家拳は行意拳、八卦拳、太極拳の三つの流派があるが、現在栄えているのは太極拳である。

陳式と揚式太極拳

太極拳は河南省の陳王庭が創始したものでありこれは攻撃的なものすなわち「たたく」ためのものであった。そして陳氏14世長興の代に、これを学んだ楊露禅が「楊家太極拳」を創始した。これは、ゆっくりとした柔らかい、円を描くような動作を深呼吸に合わせて行うものであり、老人や女性にも可能なため民間に広く行われるようになった。肺や心臓の循環、呼吸器系統及び消化器系統に効果があり「医療体操」とも呼ばれる。このように、太極拳は、数ある流派のうち現在陳式とそれから派生した楊式の二流儀が盛えているが、どちらも気功と関係が深く、気功の静かな「座禅」に対置する意味で「行動禅」とも称される。

太極拳は古くから伝わる民間武術であり、伝統的な健康法でもあります。老若男女、体力の強弱を問わずだれでもできる健康法であるため、数百年来、すたれることなく続いています。日頃から太極挙をしていると、心血管系統の機能を高め、高血圧、動脈硬化などの予防に効果があり、また、神経、消化、骨格関節、筋肉など、全身の器官すべてによい影響をあたえ、長寿を保証するとのこと。中国の多くの都市には太極挙指導所が設けられている。

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