麻疹(はしか)にご注意

 日本で麻疹が流行しています。中国でも麻疹発生は多いので、麻疹ワクチン未接種で麻疹未罹患の方におかれては、予防接種に関し、外国人が多く利用する信頼できる病院にお尋ね下さい。

1.麻疹(はしか)とは
 ウイルスの空気感染や飛沫感染で罹患します。同じ部屋にいただけでも感染するほどの感染力があります。風邪類似の症状が出た後、全身に赤い発疹が出ます。

2.日本における流行
 発病数は年間10万〜20万人規模、死亡率は0.1%程度といわれ、流行のピークは4〜6月です。現在、特に15歳以上の報告数が、大流行した6年前を抜く勢いで増加しています。東京、埼玉などで流行しており、全国へと拡大する可能性もあります。

3.日本における予防接種
 1歳児期と小学校入学前年度の計2回、麻疹風疹ワクチン(又は麻疹ワクチン)の接種が勧められています。接種回数は、以前は1回でしたが、昨年、2回に変更されました。1歳児期と小学校入学前年度以外でも、予防接種は可能です。ワクチン未接種で麻疹未罹患の方に対し、予防接種に関する注意喚起がなされています。
(注)1回の接種歴があるのに発病する場合、年齢とともに免疫が減少する場合があります。

4.中国における流行
 2006年、発病数10万件(05年は12万件)、死亡数35件(05年は55件)が報告され、2007年も多数の発病者が報告されています。流行のピークは例年4〜6月で、ほぼ全国的に広がっています。15歳以上の発病報告も散見されます。
 北京市については、市発表によると、本年初から5月20日までの間の発病者数は前年同期比30%減(計1640例)であり、大流行の危険性は少ない、とされています。

5.中国における予防接種
 中国では2回接種が義務づけられています。接種時期は生後8ヶ月及び18ヶ月です(以前は8ヶ月と小学校入学時)。

6.日本の対中ODA
 麻疹等の感染症対策のための日本の技術協力が行われており、北京市及び四川省成都市に日本人専門家が配属されています。

期間:2006年より5年間
地域:江西省、甘粛省、新疆自治区、四川省、寧夏自治区
日本側機関:国立感染症研究所、国立国際医療センター
中国側機関:中国衛生部、中国疾病予防コントロールセンター(CDC) 
連携協力機関:WHO、UNICEF等
<参考> 国立感染症研究所感染症情報センター http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/index.html

               (在中国日本大使館)     (2006.1.19)